the poetics of chanrie's everyday life


『ジェンダーから見る【彼】の幸せ』−追加版
コメント(0)| Track back(0) | 2005-08-15
「営業大変だよ?って、シュウカツ中に聞かれたよ。営業一筋でやってる人見てるんで、どれくらい大変かはわかりますって言っといた。で、本人は天職だって言ってます、ホントかウソかは知らないですが、とも言っといた。」
「はは、そうか。まぁ、今となってはな。わからんけど。結局こうだしな。」

「あと一年すれば彼も二十歳だしな。俺の仕事ももう終わりだ」
「まぁ、その先は自分の人生を考えればいいんだよ」
「まぁ、そうだよな」

いつから人は、自分の幸せを他人の幸せと重ねることができるようになって、
いつから人は、自分の幸せが他人の幸せとは重ならないという単純な事実を
引き受けることができるようになるんだろう。


---
「ジェンダー問題」たるや何なのか。
私が一生懸命考えている(と彼が思っている)問題を、
彼なりに一生懸命理解しようとして、
「『俺の周り』にジェンダーって言葉を知っているか聞いたんだよ。一人しか知らなかったね。」
「ジェンダー問題って男女の差別問題、じゃない、んだよな?」
以前聞かれたときに私が繰り返した言葉を繰り返す。

ジェンダーは最早私のテーマではないのだけれど、と思いながら、
ざっくり言えば、男/女という認識枠組みにかぶせられた意味づけ、
いわゆる「常識」ってのを問題にするのがジェンダーの視点で、
それを使うと世の中の見え方が少し変わるような、
そういうツールだと話してみる。

「ふーん…もともとは女性差別が問題だったんじゃないのか?」
第一波フェミニズムから第三波フェミニズム、そういう運動から、
なんでこうなの?世の中どうなってんの?ということを考えるようになって、
それが今のジェンダー論につながっている、と話す。
「だからジェンダー問題が女性差別だと言ってしまった瞬間に、
例えば男性の問題が見えなくなっちゃうよね、過労死とか。」
「あー、なるほどね。男はそうあるべきだ、か。まぁ俺はもう負け犬なんだけど。」
「それも、ジェンダー問題と言っていいと思うよ。」

世の中の見方を変えたって、俺の立ち位置は変わらない。
だけど理恵の考えている世界を俺も見てみたい、
何が理恵をそんなにガクモンに駆り立てるのか。

そういうこと?
どういうこと?
何を言えばいい?
何を聞きたいの?
どう…

どうしろって?


---
私は「家庭を築くのが怖い」のです。

私は自分勝手で、ただそれが怖いのです。

私の幸せは私のもの。
そう思っているんだろうと思うから、それが怖いのです。
私の幸せは誰の幸せとも重ならない。
そう思っているんだろうと思うから、それが怖いのです。

それこそが、ギリギリのところで留まる世界に背を向けた私が
それがどうしようもない世界なんだと理解したもの。
そんなことないよと白い私が言い、
いや結局そうだよなと黒い私が言う。
そんなことないでしょ、信じてるでしょあの人と幸せが重なること、
それにそんなこと言ったらあの人が悲しむじゃないと白い私が言い、
嫌われるのが怖くてそんなこと言い出せないだけだろうけど、
お前は本当は本当に自分勝手なんだよと黒い私が言う。

あの人が喜んでくれれば幸せだと思う感覚が確かにある。
でもそれがいつまで続くか分からずに、どうしてなくなるかも分からずに、
不安と共にある幸せたるや何なのか。

世界の中心には私が居て、そして私しか居なくて、
でも世界なんて本当は無い。
だけど私はなぜか人の温もりを知っていて、
傷つくことが何であるかを知っていて、
その後の絶望からどう立ち直ればいいかも多分知っている。

傷ついても前を向いて走れ!
そんな生ぬるいこと言われたくない。
走っている限り傷つくのは当然だ!
そんな下らないこと言われたくない。

アナタにとっての世界、私にとっての世界、その接続可能性は。
なぜ接続する必要があるのか。

あぁ、そうか。だから私は子どもが欲しいのか。
理解しきれない幸せの彼岸に、少しでも優しさを求めているから。
「理恵ちゃんとなっくんを産んだことだけは(幸せだった)」と言った彼女の言葉に、
ひとかけらの救いを求めているから。
それが自分勝手な妄想だとしても、そこからしか始まらないのもそうだから。

パパごめんなさい。
私はアナタが大嫌いです。本当に。どうしようもないほど。
それでも不器用で強がりなアナタを愛しています。多分。
私がアナタにとってのかつての幸せであり、今の不幸せだとしたら、
私はただ、アナタには幸せになって欲しいだけなのです。
多分、アナタを愛してると思うから。

「日本はもう、自分で自分の生活を守らないといけない国になっちゃったんだよな。バブルが崩壊して、俺たちは生きにくくなってるんだと俺は思うよ。」

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