the poetics of chanrie's everyday life
「ページをめくるたびに…無限に広がった新しい風景に出会うのである」
コメント(0)| Track back(0) | 2005-11-28 |
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テレビのある部屋に彼は本を携えやってきて言う。
「ねぇおねぇ、あのさー、レポートがね…?」
一通り納得した様子で彼が部屋に戻ると、彼女はくっくっと笑いながら言う。
「なっくんてさぁ、かわいいとこあるよねー、何でもかんでもおねぇちゃんに聞きに来てさ、おねぇちゃん居なかったら卒業できないかもね。」
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あの繊細さとバランスを大事にして欲しいのだが、
私がヘンな本を与えているのではないかと危惧する毎日。
彼の机の上に積んである本をざっと見て目に付いたもの。
青木保の本数冊。
『読書と社会科学』。
『自分の中に歴史を読む』。
前に手渡してすでに読了して返ってきたものもあった気がする。
『北斗の拳』他原先生の漫画。
『マスターキートン』『沈黙の艦隊』『夕凪の街桜の国』『天才柳沢教授の生活』『げんしけん』
他にはなんだ?
同じ本を読む、ということの意味が、そのうち彼にも分かるのだろう。
そのとき彼も手にしているはずだ。
彼にとっての最良の一冊を。
彼の人生に開けた新しい景色を。
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学校の授業で今度ディベートをやるという彼。
多分、何を言おうか考えあぐねていたんだろう。
「お題は『持続可能な開発について』で、先進国と途上国側に分かれてやるんだけどさー。」
「ほー、またすごいお題ねぇ…」
夜中1時半。
私の話を引き出すよりも早く寝て自分で本を読んだほうが…
と思わなくもない。
「わしさー、ホントもっと勉強しないとなぁって思うんだよねー。大学の人たちはまぁ全然ダメだからいいんだけどさぁ、ちょっとした知識人と話をすると、わし全然何にも知らないやって思うんだよねー。」
「ちょっとした知識人?」
「うーん、O井君(彼の高校の同級生で、W大のとある英語で授業をする学部に通っているらしい)とか、おねぇとか?」
「…知識人ってのは多分私みたいなのに使う言葉じゃないぜ。っていうか君より5年も多く生きてるし。」
先進国/途上国というコトバで示されるアクターは誰なの?と自分で問いかけておいて、
「じゃあ先進国/途上国って分けること自体がもしかしてまずかったのかなぁ?」
との返事に、初めてその「ずらし方」をしっかり考えていなかったことに気づかされたのでした。
そんなこんなで、姉は彼との話し合いを通じ、
公共性の議論がすっかり手落ちになっていることを痛感し、
読書リストが膨大に増えたのでした。
いい勉強をさせてもらったのは姉の方か。
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